

築古の1Kでよく見かけるのが「畳の部屋+段差あり」の間取りです。今回の現場もまさにその状態で、正直なところ、このままでは入居は決まりにくい印象でした。
畳床は傷み、壁には汚れやカビ跡もあり、さらにキッチンと居室の間に畳の厚さ分だけ約5センチの段差があります。つまずいて転倒してもおかしくない状態で、使い勝手の悪さが目立っていました。そこで大家さんと相談し、「思い切って畳をやめて、段差もなくしてスッキリさせましょう」という方向でスタートしました。


実際に解体してみると、構造はとてもシンプルで、畳の厚さ分を角材で囲んでかさ上げしているだけです。この角材を撤去すれば、フラットな床になります。
施工は、まず畳を撤去し、段差の原因となっていた角材を取り外します。床の状態を見ながら一部下地を補強して、室内全面に合板を敷き詰め、仕上げにクッションフロアを施工しました。こうしてキッチンと居室の段差は完全になくなりフラットな床になり、見た目もスッキリです。それ以上に生活のしやすさが大きく変わりました。家具の配置もしやすく、掃除もしやすい。今どきの入居者のニーズに合った仕様ではないでしょうか。
また今回、天井については大きく手を入れず、ホコリを取り払う程度にとどめましたが、壁紙を全面的に張り替えることで、室内全体が一気に明るい印象に変わりました。


幸いなことに、この部屋は工事完了後すぐに入居の申し込みが入りました。特別なことをしたわけではなく、使いやすく整えただけです。
今回のように、構造を見て生活に於ける動線からどこを変えれば良くなるかを判断できるかどうかで、仕上がりも結果も動き出しました。シンプルな現場ほど、その差が出やすいとみています。
原状回復はただ元に戻すだけでなく、次に選ばれる状態にすることが大切だと、改めて感じた仕事になりましたm(_ _)m

